研究

私たちの目標は、新しいテクノロジー開発・コンセプトの提案を通じて、新しい生命医科学・生物物理研究を切り拓き、実世界へのインパクトを与えることです。目的や興味や仮説に応じて、異なる分野の技術を賢く結合・融合し、ソリューションを与える技術的発想を心がけています。光・流体・マテリアル分野の技術系人材と、細胞・微生物学、合成生物学、ヒト疾患分野の生命科学・化学系が、真に密に協力して、テクノロジーが駆動するサイエンスを推し進める研究室です。ちなみに、情報技術は必要です。

0. 高速バイオテクノロジー技術開発

  • オリジナルな、高解像度、高感度、ラベルフリー解析、光と流体技術:世界最高速の三次元イメージ流体計測技術や、超高感度と高速性を両立した微粒子解析技術群(to be public soon)、ヘテロな細菌・微粒子群を迅速に高速解析するラベルフリー技術(to be public soon)、世界最高速の液滴ソーティング技術、世界初の対象の空間情報に基づいた高速ソーティング技術、液滴を用いた高感度解析技術群など、ユニークな計測系を、光・流体・マテリアル・化学技術を使って開発しています。

  • ネットワーク化融合計測:時間や装置間、非破壊的(イメージングや光計測)・破壊的(シークエンスを始めとするオミクス)計測データを、大量の細胞や細胞間相互作用ごとに繋ぐマルチモーダルバーコーディング技術を開発しました。上記のオリジナル計測技術群はもちろん、共同研究者の他の最先端計測データを繋ぎ、様々な生命計測データの本質的な価値を掘り出そうとしています。

  • プラットフォーム液滴・ハイドロゲル技術・合成生物学関連技術:液滴生成、融合、ソート、各種ハイドロゲル構造作成技術、DNAバーコード技術など、標準化された技術群を利活用しており、ニーズに合わせてカスタマイズして運用しています。

1. 生命医科学研究と、医薬(表現型解析・診断)への応用

上記の高速マルチモーダル計測、高速・高感度な光やマイクロ液滴、技術などの光技術を使って、免疫、血液腫瘍、微生物、感染、幹細胞分野における、私たちの技術でしかアプローチできない生命基礎科学や医薬分野における課題に挑戦しています。

扱っている生物対象は、細胞、細菌、生体外微粒子(EV, exosomes, virus)、分子、オルガノイド、そして少数同士の相互作用です。多様なインプットに対する、ヘテロ・大量な生体の応答を予測するAIモデル(デジタルツイン)を作り、細胞や生体の表現型解析と機構解明、分化や細胞応答の最適化インプットの設計を目指します。また、多次元データに基づいた、次世代AI細胞形態診断を、実現します。

2. 次世代進化分子工学技術開発

上記の高速マルチモーダル計測、高速・高感度な光やマイクロ液滴、技術などの光技術を使って、機能的なタンパク質・細菌・細胞を作るプラットフォーム技術を開発します。自然や生体に眠るポテンシャル引き出して、医療・環境・エネルギーなど、様々な分野で社会を変革する強力な機能的分子創出を目指しています。

私たちが開発した世界最高速の液滴ソーティング技術と、ハイドロゲルプラットフォーム技術、共同研究を通じた進化分子工学・タンパク質科学や合成生物学を融合することで、機能的な未来のタンパク質・細菌・細胞を作る進化工学プラットフォーム技術の開発を目指しています。超高速・大規模なスクリーニングを行うとともに、機械学習やデータ科学を用いたバイオDXを推進しています。

3. AI駆動生物物理学

私たちの高速マルチモーダル(生体イメージング+オミクスデータ)計測技術が生成するデータを利用して、細胞内の構造が機能を生み出す物理法則の発見に挑戦します。細胞や細胞内構造をマテリアルとして捉え、その応答を物理的・統計情報的な観点から描写し、理解することに興味を持っています。


技術の実用化

私たちの研究室で生まれた実用インパクトの高い技術は、スタートアップや企業との共同研究を通して実用化を進めます。ゴーストサイトメトリー技術(世界初の高速”イメージング”セルソーターを実現した、画像無し画像情報解析アプローチ)は、既にスピンアウトした企業を通じて実用化が進められています。他技術に関しても、準備が進められています。

ラボラトリー・オートメーション

TECAN社との協力のもと、最先端自動分注ロボットを導入し、自動化ネイティブ人材を育て、次世代の自動化技術を作る試みを行っています。

 
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World's highest throughput 3D imaging flow cytometer

World’s fastest 3D imaging flow cytometer

Platform for studying single-cell EV secretion in droplet arrays